高松宮記念/レビュー
(1998年5月25日提供)

競馬のサイン読みは一種の試験のようなものだと思う。
だって、マークシートを塗りつぶして、窓口のおばちゃんに受験料を添えて提出して、正答があればお小遣い、誤答ばかりなら受験料没収なんていう流れが何かの試験と同じ。
だからひとつの考え方として、「サイン読みは、A群・B群で示された連対馬群からそれぞれ1頭ずつ選択して回答する試験問題。選択した馬の結びつきの理由がパーフェクトならば馬券が1点でとれるオプション付き。」のようなシステムで行われているんじゃないかと思っている。
そういえば、日本人って試験・クイズ・パズル好きじゃないですか。
クイズ問題のテレビ番組はかなり確実に視聴率をとれるらしいし、パズルの雑誌なんかも比較的売上がいいみたいだし。試験ばっかりうけている資格マニアみたいな人も多いみたいだし。
結局そういう層が多いこともあるし、お役人さんが仕掛けたゲームだっていうこともあって、教育国らしく「教育の現場の様式」を持ち込んでいるんじゃないでしょうか。
解く側が人間ならば、制作する側だって人間。
制作する側の論理が反映されるのが「システム」だから、逆に言うと、解く側は制作する側になって考えた方がいろいろなことが読めてくるのかもしれない。

どちらにしても「連対馬の1頭は群で示されている。」という考え方は、「その群の中から1頭を選んだら、同時にその群は連対馬になり得ない。」ことに通じるのだから、絞り込みのサインの1つとして大事にしておきたい。
例えば、高松宮記念の開催前日版では「頭数立てのサイン」を根拠に、同じ17頭立てだったNHKマイルCの何かが連動しますよと書いたわけだが、「控除率のシステム」(競馬は賭金の25%は税金としてとられる。だから土日の競馬で同じサインで連対馬を教えるのは4頭のうち3頭まで。)のこともあって、土曜日のエメラルドSで連対馬の両方が頭数立てのサインで説明できた以上、日曜日の高松宮記念は1頭しかダメだった。

・(NHKマイルCの)5枠右9番が連動してケイワンバイキングが馬券になるか。
・3枠右5番が連動してシーキングザパールが馬券になるか。
・それともエルコンドルパサー・タイプは出走していないから、シンコウエドワードと同じ冠を持つ4枠左8番シンコウフォレストか、それとも田中勝春騎乗の4枠右7番コクトジュリアンか。

開催前日版では他のサインのこともあって4枠8番シンコウフォレストか5枠9番ケイワンバイキングのどちらかと書いたのだが、その通りになってくれたのは良かった。
でも、実は正直言って別な馬を本命にしてこの2点に流していたもんだから馬券は外れ。
このあたりがツメの甘いところを露呈しているから、またしばらく燃え続けなきゃならないんだけど…。
ただ、3枠5番シーキングザパールはダイヤルQ2では一言も言わなかったということで、「ないものはない。」の信念を持ちながらサイン読みしているとご理解いただきたい。

あと、外れたくせにエラそうなこと書くが、高松宮記念で周囲の声で気になったのが「ブラックタイキス」の取消を問題視する方が多かったこと。
一部の方にメールでお答えしたように、私は基本的には登録段階から競馬はスタートしていると思っているので、何といっても最優秀短距離馬のタイキシャトルが出走回避をしたことが大問題で、ブラックタイキスはその目眩ましというスタンスだった。

タイキシャトル(最優秀短距離馬・不敗の馬)
ブラックタイキス(出走馬中で一番賞金が少なかった格下の馬)

どう考えたってタイキシャトルの方が上だと思う。
だから年度代表馬のエアグルーヴがチョン掛けで登録した天皇賞(春)で彼女の天皇賞(秋)の枠連4−6が一発で連動したように、タイキシャトルの何かがサインにならなければならなかったのだが、

・スプリンターズS時のタイキシャトルの岡部幸雄が当日の東京メイン・ブリティッシュCの8番マイネルタクトに乗っていたことが、8番のシンコウフォレストに当たる。
・マイルCS時のタイキシャトルの横山典弘が9番のケイワンバイキングに乗っている。

私が考えていた馬の両方ともが説明つくから、自分なりにはどちらかは確信を持っていたつもり。
というわけで「同じ事柄が複数あったら、何が一番大事でその次は何かという順位付け。」の考え方にもこだわっていきたいと思っている。
だって制作する側のお役人さんは、受験戦争を勝ち上がって入省されたエリートの集団。
実力テスト・偏差値等の順位付けの考え方が染み着いているだろうし、入省したところで大臣→政務次官→事務次官…の階級の世界で生きている方たち。
そんな方々のシステムなんだもん、すべてにおいて順位付けがなされていると考えるのが大事なんじゃないだろうか?

今度はその順位付けをテーマにしてみると、来年の高松宮記念も秋の大井競馬のグランドチャンピオン2000の目を大事にすればいいということになる。
どうしてかというと、インフォメーション・キーワード作戦「高らかに」が大書されていたのは昨年の天皇賞(秋)の週のこと。
その週の大井競馬・グランドチャンピオン2000を素材として取り上げつつ、

1着 5枠右7番アブクマポーロ
2着 4枠左6番コンサートボーイ
3着 1枠 1番カネショウゴールド

2着と3着の枠位置が一発で連動した高松宮記念だから、「高らかに」作戦は正解だったことになる。
ならば、今後インフォメーションに「高らかに」が大書されたらその時の地方競馬のビッグレースに注目するのは当然なのだが、過去に「高らかに」が大書された回数はそんなにない。ということはこれから来年にかけて出る可能性は余りない。
そうすると、

・ヘッドコピーに大書されたことが、インフォメーション・キーワードの価値として順位付けが一番上。
・一度インフォメーションが出たら、次に別なレースでそれをひっくり返すような言葉が出ない限り、元のレースを適用して構わない。

これがルールだと思うから、来年もグランドチャンピオン2000に注目していれば良いというわけ。
それにしても地方競馬の連動は3着が多い。

・中央地方交流の架け橋ホクトベガ=ベガ=お星様の馬だから天体性が重要
・地方競馬の「地」は「水金地火木土天海冥」の3番目だから3着

ゆえに地方競馬の3着が中央に交流するのかなと思っている。
こんなところでホクトベガは生きているし、天体テーブルをおっしゃっていた元祖サイン読み・高本公夫さんも生きていらっしゃるのかもしれない。
これが報知杯弥生賞で書いた「想いのサイン」のバリエーションなんだけど、今週のオークスもホクトベガの関連レースなのだから、例えば5月27日に行われる船橋・かしわ記念の「かし」レースが樫の女王決定戦に連動すると考えて差し支えないのかも。
いずれにしても今回悔しかったのは、「永遠」インフォメーションでホクトベガの追悼は読めたけど、観劇料だけ払ってお土産をもらわないで帰ってきてしまったことだ。
これをエネルギーに来年を頑張るということで許して下さいな。

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