府中牝馬S・京都新聞杯/水曜日版
  (1998年10月15日提供) [index] | [next] | [back]

歌舞伎の大スター・ナリタブライアン、それを支える黒子・南井
ナリタブライアンのお別れがあれば、ベストパートナーだった南井克巳とのお別れもある。
そして歌舞伎役者(馬)の動きと、黒子(騎手)の動きが一致すると、役者の姿は映える。
人と馬の300年ロマン。
人馬一体のストーリーは、盛大なものになりそうな予感がする。
その幕間の小休止にあたる今週は、当然、南井克巳の引退予約をメインに据えて考えれば良いだろう。
夏の新潟記念の時にも書いたように、イベントやニュースは発表された瞬間からサインとして使用されるのだ。株式市場や金融市場だって、ニュースには敏感に反応するし、将来決定していることは『織り込み済み』で動くのだ。大金が動く競馬市場だって同じに決まっていると考えることにしよう。

考え方は2つだ。
1つは、「ナリタブライアンの追悼式→南井克巳の引退予約」の流れは人馬一体で統一されるはずだから、先週までの一連の流れを受け継ぐのではないか。
ナリタブライアン・南井克巳/人馬一体のお別れのストーリー
  関東 関西
98/10/04
ナリタブライアン
追悼式(PT1)
(中山・阪神)
時事通信杯クィーンS セントウルS
5枠左8番エアデジャヴー
横山典(オークス2着馬)
(種牡馬:社台SS)
7枠左11番マイネルラヴ
武豊(朝日杯3歳S2着馬)
2枠 2番ナオミシャイン
柴田善(種牡馬:社台SS)
5枠右6番マコトライデン
福永
(種牡馬:アロースタッド)
8枠左14番ケイツーパフィー
小野
1枠 1番シンボリフェザード
藤田
98/10/11
ナリタブライアン
追悼式(PT2)
(東京・京都)
毎日王冠 京都大賞典
2枠 2番サイレンススズカ
武豊(宝塚記念1着馬)
(種牡馬:社台SS)
1枠 1番(外に出すと8番、もう一度外に出すと15番
セイウンスカイ
横山典(皐月賞1着馬)
4枠 4番エルコンドルパサー
蛯名(NHKマイルC1着馬)
3枠 3番(外に出すと10番
メジロブライト
河内(天皇賞(春)1着馬)
(種牡馬:アロースタッド)
7枠 7番サンライズフラッグ
安田康
7枠 7番シルクジャスティス
藤田(有馬記念1着馬)
98/10/18
南井克巳
引退予約発表
府中牝馬S 京都新聞杯
8枠右10番メジロドーベル
吉田(秋華賞等1着馬)
(種牡馬:アロースタッド)
5枠左10番スペシャルウィーク
武豊(ダービー1着馬)
(種牡馬:社台SS)
4枠 4番グレースアドマイヤ
藤田
(種牡馬:社台SS)
8枠右15番キングヘイロー
福永(皐月賞2着馬)
8枠左11番ウエディングハニー
柴田善
1枠右 1番タヤスメドウ
土肥
G1級の馬が絡み続けていたから、G1級が絡む(京都新聞杯はたくさんいるからなあ)と思うのもよし。
武豊横山典が絡み続けていたから、スペシャルウィーク・武豊、ランフォザドリーム・横山典が絡むと思うもよし。
先週と同じように、

毎日王冠→府中牝馬S(毎の字の中に「母」があるから、牝馬と関連する)
京都大賞典→京都新聞杯(京都レースの一致)

と出目が絡むと思うもよし。

先週までは関東で社台RH関西でアロースタッドの種牡馬が絡み続けていたけれど、今週は武豊・横山典が先週とクロスして出走することでも分かるように何かがクロスするはずだから、関東でメジロドーベル(種牡馬:アロースタッド)関西でスペシャルウィーク(種牡馬:社台RH)といったG1馬が絡むと考えるもよし。
必ず何かがつながるはずだ。
「G1級の馬」「武豊・横山典弘」じゃボヤっとしているので「先週の出目」に絞っていうのならば、それぞれ3着の枠か馬番のどちらかを使うんじゃないだろうか。もし先週の出目じゃないのならば、先週3着だった騎手が馬券になる、もしくはサインになるんじゃないだろうか。
理由は2つあって、
1つは、冒頭にも書いたようにナリタブライアンという歌舞伎役者に対して、南井克巳は黒子。
先週のナリタブライアンが派手に1・2着を使ったのならば、今週の南井克巳は黒子らしく地味に3着を使うのではないか。
2つは、開催前日版の京都大賞典におけるインフォメーションの解釈にも書いたように、「時代が認める王者への布石。」は「記録が作られたレースの場合、そのレースで記録された1〜3着が連動する。」の意味。
実際、土曜日の7頭立てだった福島・雄国沼特別(古賀史生師JRA通算200勝を記録)の3着だった1枠1番が、同じ7頭立てだった京都大賞典のセイウンスカイの1着につながったように3着を使っていた。
そして、その3着主義は大井競馬のゴールデンティアラ賞にも影響している。

・前日、宮浦騎手が通算1000勝を記録。そのレースの3着がホクトオーロラの2着のサインとなる。
・盛岡・南部杯はレコードレース。その3着のアブクマポーロの枠位置がヒカリクリスタルの1着のサインとなる。
ならば、毎日王冠・京都大賞典もレース後のアラカルトを見ればわかるようにさまざまな記録が生まれているレースだから、連動するならば3着を使うのではないか?
そして、重要視したい「北の声」盛岡・南部杯が大井・ゴールデンティアラ賞にやってくれたことをもっと正確に記すと、
▽盛岡・南部杯
3着 8枠左12番アブクマポーロ石崎

▽大井・ゴールデンティアラ賞
1着 8枠左16番ヒカリクリスタル内田博
2着 8枠右15番ホクトオーロラ石崎
3着 6枠左12番アイディアルクイン藤村
もし1着〜3着の組み合わせが全部的中の拡大連複が売り出されていたのならば、南部杯の3着だけでパーフェクトに的中しますよ、という形だったのだ。
3着の出目以外に3着の騎手にも注目しなければならないだろう。

府中牝馬S:毎日王冠で3着だった7枠7番、もしくは外に出した16番。3着騎手の安田康。
京都新聞杯:京都大賞典で3着だった7枠7番、もしくは外に出した14番。3着騎手の藤田。
※騎手は馬券になるか、サインになるか。
(3着と読んだのは深読みのしすぎ。上記の表にあるように素直に1・2着の連動で正解だった。ただし、3着騎手の藤田が場をクロスした府中牝馬Sで2着になったし、その藤田を外に出した馬番の15番が京都新聞杯の2着のサインとなった。従って「3着騎手」のサインについては正解だった。)



もう1つの考え方は、騎手の引退予約なのだから、同じように騎手の引退絡みの発表があった場面のやり方と似るはずだ。そして、ナリタブライアンの黒子役だった南井克巳なのだから、人馬一体である以上、ナリタブライアンのセレモニー時に行われたやり方が優先されるはずだ。
そうすると、ナリタブライアンの追悼式の第一段だった2週間前のクィーンSのレビューにも書いたように、

菅原隆明騎手の引退は、同期の平目隆明騎手が引退だった阪神3歳牝馬Sの週と場面が同じ

阪神3歳牝馬Sの1着馬番の2番がクィーンSの2着のナオミシャインにつながり、2着馬番の11番がセントウルSの1着のマイネルラヴにつながる


だったから、あれは、
・場面は、同じタイプの騎手の引退セレモニーと一致させる。
・その時のG1レースの馬番を東西で交互に使う。
とまとめられる。
この時とやり方は似るだろう。
ならば、南井克巳と似たタイプの騎手は2人。
・96年の夏、新潟記念でトウカイタローで1着したあとに引退予約をした田原成貴騎手
・95年の秋、天皇賞(秋)の直前に引退予約をして、そのあと天皇賞(秋)をサクラチトセオー、エリザベス女王杯をサクラキャンドルで1着した小島太騎手
問題は、田原か、小島太か、どちらをとるかだけだろう。
普通は、小島太だと思う。
世代的にも昭和20年代生まれの騎手だし、お互いにダービー騎手だし、何よりも引退予約をした時期=秋のG1直前が似ている。
しかも田原は96年に引退予約をして実際に引退したのが98年だから、間に1年間の猶予期間をおいていた。
それに対して、小島太は96年に引退予約をしたら翌97年に即引退、南井克巳も既に翌99年の引退がほとんど決定している。
引退のタイミングもバッチリ。
というわけで似たタイプの騎手は小島太だ。
そして、小島太のレースは天皇賞(秋)とエリザベス女王杯の2つが用意されているのだが、
・今週のレースで格が高いのは京都新聞杯の方だから、京都優先・府中牝馬Sというエリザベス女王杯のトライアル的レースがあるから、エリザベス女王杯のフレーバーが必要
・京都新聞杯・府中牝馬Sは天皇賞(秋)とはほとんど関係がない
という理由でエリザベス女王杯で構わないだろう。

▽95年/エリザベス女王杯
1着 4枠右7番サクラキャンドル小島太
2着 4枠左8番ブライトサンディ横山典
3着 2枠左4番フェアダンス武豊

7番を府中牝馬Sで使えば8番を京都新聞杯で使うというように、7番・8番を交互に使う。
(馬番ではなく4枠が府中牝馬Sの2着のサインだった)



最後に雑談なのだが、桜花賞でファレノプシス・武豊が1着したゴール後、エアデジャヴー・横山典とハイタッチをしたことを記憶されている方はいらっしゃるだろうか?あのシーンを見て「俺の次はお前だ。」というような印象を受けたのだが、今春は、
桜花賞 1着 5枠右9番ファレノプシス・武豊

皐月賞 1着 2枠右3番セイウンスカイ・横山典

オークス 2着 7枠中14番エアデジャヴー・横山典

ダービー 1着 3枠右5番スペシャルウィーク・武豊
たしかに、「俺の次はお前だ。」のようになっていた。
そしてこの秋も、特にナリタブライアンの追悼式ウィークだったここ2週間が、
クィーンS
1着 5枠左8番エアデジャヴー・
横山典
セントウルS
1着 7枠左11番マイネルラヴ・武豊
毎日王冠
1着 2枠 2番サイレンスズカ・武豊
京都大賞典
1着 1枠 1番セイウンスカイ・
横山典
府中牝馬S
ランフォザドリーム・横山典
(人気がある実力馬)
京都新聞杯
スペシャルウィーク・武豊
(人気がある実力馬)
「俺の次はお前だ。」のようになっている。
恐らく、このリズムが途切れて相手に華を持たせたとき、その相手が頂点に立つことが約束されるんじゃないかと思う。
ならば今週はトライアルラストだからトライアルの「有馬記念=年度代表馬決定戦」の週。
そして横山典弘はタイキシャトルの騎乗&帯同騎手だから年度代表馬候補のタイキシャトルの代理だし、スペシャルウィーク・武豊は年度代表馬候補そのもの。
途切れて雌雄を決するのはここしかないんじゃないか。
ランフォザドリームが勝ってスペシャルウィークが負けたなら、年度代表馬はタイキシャトルのストーリーになる……。
スペシャルウィークが勝ってランフォザドリームが負けたなら、年度代表馬はスペシャルウィークのストーリーになる……。
ただ、先週のレビューにも書いたように、もしかしたらスペシャルウィークの方が可能性が高い……。(このストーリーとなるだろうか?

ちなみに、勝負服に注目しながらナリタブライアンの口取りの写真とスペシャルウィークの口取りの写真を比較してみた。

・ナリタブライアンは胸の中心にギザギザがある。
・スペシャルウィークも胸の中心にギザギザがある。


お互い「胸の中心=心の中」に「ギザギザ=トラウマ」を持っている勝負服なのだ。
年度代表馬のどこかに「ナリタブライアン・フレーバー」があれば、あ、あの年はナリタブライアンが死んだ年だったなと記憶されるんじゃないだろうか?

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