毎日王冠・京都大賞典/レビュー
(1998年10月15日提供) | [index] | [next] | [back] |
思わず心の中で「成田屋!」と叫んだ毎日王冠・京都大賞典のゴール前。
ちょっとだけ涙が出た。
もっとも、両方のレースともおみやげつきだからこそ、涙腺が緩む気持ちにもなれるのだが。
今回はたまたまうまくいったのだが、いくら前予想やストーリーが当たっていても、最終的にお金に出来なければ読後感ならぬ「レース後感」は大違いだ。
そして、過ぎ去ってしまった時間は絶対に元には戻らない。
さらに毎日王冠だけとっても、13万人超の人間を集められる週の、78億円を売り上げられるパワーを持った商品なのだ。
そういう意味でも、前にも書いたように一期一会の気持ちを大事にしながらサインと対峙したいと思う。
あとは、猪突猛進はサラッとかわす術を熟知しているサイン読み担当の方だから、バランス感覚をどう保っていくかが問題なのだが……。
多摩の秋風に吹かれていい気分だった夕方は、もう一度ナリタブライアンとオグリキャップを想いながら、乾杯。
極上のストーリーがつまみだと酒がすすむ、すすむ。
酔える、酔える。
酔っぱらいながら夢を4つ見た。
(1) 毎日王冠の次の2つのことは異常。
・一週間単位で見た場合、武豊が土曜日→日曜日、ずっと勝たないでいてクライマックスの毎日王冠でようやく勝ったこと(彼は、この3年間毎週必ず1勝している。あそこで勝たなければ記録が途切れるところだった。)
・その毎日王冠で、武豊がG2にも関わらず異例のウィニングランを行ったこと
意味を考え、さまざまな想像をした。
(2) 毎日王冠の週は、出走メンバーがG1級とはいえ、レースの格は東西ともにG2。
そんな小さな舞台だけでナリタブライアンの追悼式は終わりか?
三冠馬のほとんどリアルタイムの死という異常事態を目の当たりにして、それに関わっていた方々、一般競馬ファンの悔しい想い、やりきれない想いはG2の程度か?
そんなことはないだろう。
タイキシャトルの「トラウマ解消気分」が持ち込まれた以上、引き際にトラウマを残したナリタブライアンの追悼式はオグリキャップの有馬記念級にならなければならないはず。
今回はトライアルだからG1馬4頭が保証書をつけたと考えよう。
でも、それは今年の秋なのだろうか、それとも来年の春なのだろうか……。
(3) 頂点の役者たちは、
神様:ナリタ「ブライ=フライ=飛翔」アン
去年の年度代表馬:「エア=飛行機」グルーヴ
今年の年度代表馬候補:タイキ「シャトル=飛ぶもの」
「飛ぶ」というキーワードでくくられる。
ナリタブライアンの追悼式のストーリーがあるならば、その先には、エアグルーヴ・タイキシャトルの引退式のストーリーがあるはずだ。
それはどんなストーリーなのだろうか。
「飛ぶ」というキーワードにはどんな意味が隠されているのだろうか?
(4) 年度代表馬はタイキシャトルだろうか、それともスペシャルウィークだろうか?
この頃、JRAの各種イベントで配布されるポスターはエアグルーヴとタイキシャトルのペアであることが多いと聞いている。
去年の年度代表馬と夫婦同士という意味を考えると今年の年度代表馬はタイキシャトルのような気もするのだが、もし、スペシャルウィークが菊花賞と有馬記念を勝ち、しかもマイルCSでタイキシャトルが負けてしまったら、国内主義が定着しているJRA賞の選考会だからスペシャルウィークになるだろう。
そして、恐ろしいことに、タイキシャトルはマイルCSで負ける可能性がある。
どうしてかというと、中央が毎日王冠・京都大賞典で盛り上がっているときに、レースとしての格は、遠い北の盛岡競馬場・マイルチャンピオンシップ南部杯(G1)の方が上だ。
秋・冬は北からやってくるのだから、秋が深まれば深まるほど「毎日王冠・京都大賞典より格上の北の声」には耳を傾ければならないだろう。
そして、そのレースに出走する中央の馬たちは福島競馬場に入厩していた。
福島はナリタブライアンの早田牧場新冠支場の原点がある土地だから、福島から盛岡に出陣するということは、実は盛岡競馬場は早田牧場新冠支場の意味だということになる。
ならば、ナリタブライアンが死んでしまった以上、お日柄もよろしく体育の日に仮想・早田牧場新冠支場で行われた秋の運動会の出し物には気を配らなければならないだろう。
では、そこでの出し物はどんなものだったのか?
・盛岡競馬場のメイセイオペラが、年度代表馬のアブクマポーロや中央のダート一線級(フェブラリーSの1〜3番人気だったタイキシャーロック・バトルライン・エムアイブラン)を破って1着になってやんややんやの喝采を浴びた。
当然、盛岡競馬場の年度代表馬となるだろう。
キーワードは「地元主義」だ。
・アブクマポーロは、パートナーの石崎騎手が中央競馬で落馬の憂き目にあって、もしかしたら南部杯に出られないことも考えられた。
それでも出てきて、複勝対象にもならずに負けた。
キーワードは「ちょっとしたアクシデントは命取り」だ。
このように、秋・冬には「地元主義」が吹き荒れて、「ちょっとしたアクシデントが命取りになりますよ」と囁いてくれた南部杯。
中央競馬でも北の声に敏感に反応して、
・南部杯でメイセイオペラが逃げきったのならば翌日曜日の中央競馬は逃げ馬のオンパレード
・地方競馬の年度代表馬のアブクマポーロが負けたのならば最優秀3歳牡馬のグラスワンダーと年度代表馬決定戦・有馬記念の1着馬のシルクジャスティスが負けた
というようにG1馬たちがをお墨付きを与えてくれた状態。
だから中央競馬でも、年度代表馬は「地元主義、言い替えれば国内主義」を貫いてマル外のタイキシャトルじゃなくなるかもしれない。
そして、「調整日程の狂い」なんていうちょっとしたアクシデントでBCマイルを回避したタイキシャトルが出走してくるマイルCSは、もしかするともしかするのかもしれない。しかも、南部杯で見せてくれたことは、去年の1着馬のタイキシャーロックが今年は2着だから、二番煎じは2着までという宣言でもあるのだ。タイキシャトルは去年のマイルCSの1着馬なのだ。
だから、マイルCSでのタイキシャトルはあっても2着止まり。それが原因で年度代表馬になれない可能性がある。
そうなると、タイキシャトルには「年度代表馬=本当の横綱にはなれなかった。」というトラウマが生じることになる。
それはそれで、相撲協会の小錦のように面白いストーリーが展開されることになるだろう……。
ヒシアケボノはそのまま曙。たった1回スプリンターズSを勝たせてもらっただけの早熟な横綱だった。でも最後は色々な意味でJRAに認めてもらった。
タイキシャトルは「タイキ=大器=背が高い、体がでかい、体重が重い」だから小錦。
実力的には本当の横綱だ。
でも最終的に年度代表馬としては認められないで本当の横綱にはなれない。(仮定ね)
そして、
・タイキシャトルがジャック・ル・マロワ賞で1着して海外で認められたことに対して、小錦はほとんど同じ時期に海外に行って国際ユネスコ・フェアプレートロフィー賞(海外の人が選考する)をもらう。
・タイキシャトルが海外G1を1勝すれば繋養予定先のアロースタッドから1億円のボーナスをもらえるというように「民間スポンサー」付きになっていることに対して、小錦は相撲協会を離れても民間スポンサーが引く手あまた。
どこか偶然が重なっている。
しかも、競馬界でユネスコ・日本フェアプレー賞を受賞したのが河内。
その河内・メジロブライト・春の王様が2着になった(しかも馬体重マイナス14キロなんて言うちょっとしたアクシデントつき)のが、京都の決まり事を決定する京都大賞典だった。
これでタイキシャトルの小錦化が決定じゃないか。
小錦は体がでかい。体がでかいとちょっとした「獅子身中の虫」が身を滅ぼす原因となる。
だから「ちょっとしたアクシデントが命取りになりますよ」の説明もつくのだ。
じゃ、貴乃花・若乃花は誰なの?
どうして、ナリタブライアン・ビワハヤヒデという最強・兄弟馬のうち弟のナリタブライアンにアクシデントがあった同じ時期に、相撲界で弟の貴乃花絡みで「洗脳騒動」なんていうアクシデントがなければならないの?
どうしてナリタブライアンも、JRAフェスティバルに登場したオグリキャップ・タマモクロスも、兄弟馬に必ずG1馬がいなければならないの?
そういえば、日本中央競馬会も日本相撲協会もどこか保守的な体質は似ているよなあ…。
話の続きは長くなってしまうのでヤメにするが、酔っぱらいが好き勝手に見た夢だ。
読み流して下さい。
[index] | [next] | [back]