クィーンC・ダイヤモンドS/水曜日版
(1998年2月18日提供)


この第1回東京開催は「初体験の同枠が1着になる」というシリーズが続いている。

第1週 フェブラリーS 1着 3枠左6番グルメフロンティア(岡部) 3枠右5番ブレーヴテンダー(ダート初体験)
3着 7枠右13番シャドウクリーク(加藤) 7枠左14番イナズマタカオー(ダート初体験)
第2週 きさらぎ賞 1着 1枠右1番スペシャルウィーク(武) 1枠左2番イガノヒーロー(中央競馬初体験)
第3週 土曜日のゆりかもめ賞 1着 3枠左6番ミラクルタイム(岡部) 3枠右5番キッポーブラボー(中央競馬初体験)
第3週 日曜日の共同通信杯 1着 8枠右8番エルコンドルパサー(的場) 8枠左9番インテリパワー(中央競馬初体験)

まー、最初のフェブラリーSに失敗しても、そのサインに気がつきさえすれば、スペシャルウィークの単勝(1.7倍)に100万勝負して、全額ミラクルタイムの単勝(3.0倍)に転がして、返す刀でエルコンドルパサーの単勝(1.2倍)と来れば100万が612万になるっていう、誰もそんなことはしないだろうなーというサインだけど、とりあえず「2月のフェブラリーS」をベースにして4歳牡馬系はシリーズ化されていたというわけ。
そうすると今週の競馬は第4週だから、性格的には「積み残したサインをまとめ上げて、次の中山・阪神・中京開催につなげる週」になると思う。積み残してある「初体験の同枠サイン」を探せばいいのだが、

大井競馬 TCK女王盃
(中央地方交流)
同枠になるのは5枠左 5枠右8番オレンジピール
(ダート初体験)

これしかないし、フェブラリーSときさらぎ賞の間に行われたこのレースでは、フェブラリーSで積み残した7枠右でトミケンクインが1着している。当然、大井から中央に対するお返しがあって然るべき。
あとは、オレンジピールは去年のクィーンC(日曜のメインレース)の勝馬だからクィーンCの週への何らかの意図があるわけだし、TCK女王盃は去年まではダイヤモンドレディ賞と呼ばれていたレースだからダイヤモンドSがある今週にはとてもお似合いだと思う。
問題は、オレンジピールがどちらのレースを指すかだろう。

そんな時に、ダイヤモンドSには1年前の1着馬ユウセンショウの登録がある。
特に、天皇賞(春)系列になる古馬中長距離のレースでは、1年前の連対馬が出走した場合は去年のその馬の枠・馬番かその馬自身を使うというシリーズになっていて、

ステイヤーズS
(距離3600m)
2着 4枠右4番アドマイヤラピス 1年前に4枠4番で1着したサージュウェルズが出走
有馬記念
(距離2500m)
1着 7枠左14番シルクジャスティス 1年前に7枠右11番で2着したマーベラスサンデーが出走
2着 マーベラスサンデー自身
AJCC
(距離2200m)
2着 8番マイネルブリッジ 1年前に8枠右8番で1着したローゼンカバリーが出走

まだまだ例は少ないのだが、先週の古馬中長距離系の京都記念でミッドナイトベット(ハンデ戦の王者レースの京都金杯の勝馬)が5連勝というまだまだ勢いOK!的なことをしてくれた以上、このことが古馬中長距離の、特にハンデ戦への保証書になってくれるはず。

ダイヤモンドS
(距離3200m)
5枠か、10番か、ユウセンショウか。 1年前に5枠左10番で1着したユウセンショウ O.ペリエが出走

枠の5枠か、馬番の10番か、ユウセンショウ自身のどれかじゃないだろうか。
でも、このシステムの馬の代表選手のマーベラスサンデーは、右前浅屈腱炎で戦線離脱してしまった。馬じゃなく、去年のポジションと考える方が正解に近いと思う。
というわけで、TCK女王盃のオレンジピール(ダート初体験馬)の同枠、去年のユウセンショウの1着位置、両方を合体した「5枠左」をダイヤモンドSで使うと考えるのは安易だろうか? もちろん、クィーンCでもなんだけど。
それともTCK女王盃を無視して10番と考えるべきだろうか。
あとは、ユウセンショウが出走回避して悩ませられたりしたらイヤだなあ。頼むよ、ユウセンショウ。

続いてクィーンCだけど、時代はオリンピックの「夢の中」状態だ。
みんな、原田・清水・里谷の「4年前の大失敗からの復活」「お父さんが亡くなったけど頑張った」、良くも悪くも浪花節的バックボーンに想いを馳せ、自分の姿を重ね合わせて「彼らだって立ち直ったんだもん。これからも頑張ろう。」という気になっている。
そう。
オリンピックの選手って「夢のプレゼンテーター」でもあるわけですね。
先週なんかは清水・里谷の「お父さんがなくなっていること」に即座に反応して「死んだ種牡馬」がサインになっていて、

京都記念
4枠4番ファンドリリヴリア(父リヴリア、もう死んでいる)
5枠5番イシノサンデー(皐月賞馬というオリンピック的選手のちょっとした復活)
6枠6番カモノマジック(父リヴリア)

故リヴリアの想い出が皐月賞馬の復活だって。
まさしく「競馬は世相を反映している」になっているわけです。
今週即座に反応するのならば「4年前の大失敗の復活」だから「4年前」なんだろうけど、この開催はチラっとそんなことがあるのも確か。これついては、みなさんもお調べになってみて下さい。でも、ちょっと曖昧です。

別な視点でオリンピックを見てみると、出場している選手たちは、夏の寒冷地でどれだけトレーニングをしたかが良い成績をあげられるポイントになる。
これを日本の馬に当てはめると、夏の寒冷地といえば北海道で、そこで鍛えたオリンピック的レベルの牝馬といえば札幌記念の1着馬のエアグルーヴと2着馬のエリモシック。エアグルーヴの「エア」は空を飛ぶようなものだからジャンプやモーグルに代表されるスキーの選手だろうし、エリモシックの「シック」は華麗に舞うフィギュアに代表されるようなスケートの選手と見立てているんだと思う。
ところが、エアグルーヴはゆっくり休養中だし、エリモシックは日経新春杯をこんな試合必要ないわとばかりに出走回避して、ターフの激戦には知らんぷりの状態。
馬の世界のオリンピック本番は春のクラシックシーズンだから、天上人のように「私のライバル」「私の後継者」が出現するのを待っている、というお芝居仕立てになっているわけだ。
ならば、「エアとエリモ以外の夏の北海道で脚を鍛えた馬たち」は、エアグルーヴ、エリモシックのライバル・後継者たちとターフを一緒に走り回っているはず。その一緒に走っている選手たちが、将来のエアグルーヴ・エリモシックになるかもというわけで、牝馬の系列は「夏の北海道で脚を鍛えた馬の同枠が連対する」シリーズだったりする。

京都牝馬特別
(古馬牝馬)
2着 4枠右 4番ランフォーザドリーム(河内) 4枠左 5番ソロシンガーは夏の青函S(1000m)でレコード勝ち
クロッカスS
(4歳牝馬)
1着 7枠左12番スギノビューティ(河内) 7枠右11番サハリンホーク
サハリンは寒冷地。
これだけちょっと異質なのはクロッカスS自体が春の中山から侵略してきたレースだから。
うぐいす賞
(4歳牝馬)
1着 7枠右11番フィールドフラワー(横山賀) 7枠左12番リボットベンリー札幌競馬からの転厩馬
エルフィンS
(4歳牝馬)
1着 3枠右 4番ファレノプシス(石山) 3枠左 5番サラトガビューティは夏の函館3歳Sで2着

ね?
もちろん、これらのレースの中には他の北海道絡みの馬たちもいるけど、あくまでも女王様になれるのは1頭だけ。
例えば先週のエルフィンSではサラトガビューティ以外にも、

6枠右10番テツマスター(函館の新馬勝ち第一号)
8枠右14番バリアシオンバレイ(札幌の新馬勝ち)

2頭ほどいたが、サラトガビューティの函館3歳Sの2着馬という格にひれ伏して、こちらの方はダンマリしている。
ということは、今週のクィーンCも「北海道絡み」の同枠のうち「格」「話題性」が十分な方が馬券になるんじゃないかと思う。
水曜日の段階で出走しそうなメンバーをチェックしてみると、次の3頭。

サハリンホーク(サハリンは寒冷地)
ストームティグレス(函館の新馬勝ち)
ベストマリー(北海道から転厩後に中央初戦を1着、かつ5万馬券の立て役者)

サハリンホークには中山開催から侵略してきたクロッカスSをサインした過去があるから、時間がずれたクィーンCのサインになるのが怖い。何てったってサハリンは金メダル王国のロシアだからなぁ。
ベストマリーは、エアグルーヴ様が年度代表馬という勲章を持っているときに、藤沢和雄調教師がJRA賞調教師部門の三冠という勲章を持っている。鞍上も騎手会の会長の岡部幸雄だし。人の「格」が違います。奇しくも季節は「人事異動」の時期だったりする。
ストームティグレスは、北海道で新馬勝ちした後、中央の黒松賞で京成杯の勝ち馬マンダリンスターを破ったり、フェアリーSで2着になったり、夏のトレーニングの成果が出ている。持込馬という存在も、いかにもマルゼンスキー的。
というわけで、いずれも「格」「話題性」には事欠かない。
どれをとるかは出馬を見てからにしたいけど、サハリンホーク・ストームティグレス・ベストマリーの同枠になったどれか1頭。ストームティグレスについては、とある理由でこれ自身もあるかもと考えているところ。果たしてどんな出題(出馬表)になるだろうか。
もう1つ余計なこと言っておくけど、京都牝馬特別・クロッカスSのこのシステムを受けた騎手は札幌記念のエリモシックの河内洋。
その後、うぐいす賞・エルフィンSで受けた騎手は、横山賀一・石山と地味な印象の未だG1をとっていない騎手。
これを「エリモシック・河内の後を引き継いだ」と考えるのならば、「地味」「未だG1じゃない」騎手の流れになっている。
水曜日の段階で未だ鞍上決まらずのエイダイクインには菊沢孝徳が乗るのだろうか?それともキュンティア・高橋亮、ライプオレンジ・後藤の可能性はあるのだろうか?
それとも、ここまで考えることはない? でも、考えるのはタダですから。

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