皐月賞/レビュー
(1998年4月21日提供)

いろいろ思うこと(精神的にすごい渦の中。甘い。)はあるが、皐月賞をまとめてみる。

a.引退式のサイン
水曜日版に記したように、サニーブライアンの引退式の弥生賞は「出目か馬」かが皐月賞のサインである。しかも、ナリタブライアンの例を参照してもわかるように、必ず2着の要素で人気薄の方を使う癖がある。
従って皐月賞を、

弥生賞の2着 7枠右10番セイウンスカイ

弥生賞と同枠に入った1番人気のスペシャルウィークを馬(目印)にして、人気薄の枠か馬番か馬かのどれか1つの選択と考えたのは、サインとしては正解。
ただし、サインは正解でも選択を間違っちゃうと金にならないわけで、結局私は、

「今週はサニーブライアンの隠れた引退式の週だから、サニーブライアンの個性である、

・逃げタイプの馬
・万馬券の馬

のどちらかは使うだろう。
そうすると先週来、

・ダービー卿CTのケイワンバイキングの2着逃げ残り
・桜花賞のロンドンブリッジの2着逃げ残り
・大井競馬の黒潮賞のエスケイタイガーの逃げ切り勝ち
・同じくマイルグランプリのカガヤキローマンの2着逃げ残り
・中山大障害のノーザンレイボーの逃げ切り勝ち
・エイプリルSのサイレントハンターの逃げ切り勝ち
・小倉大賞典のサイレンススズカの逃げ切り勝ち

逃げ活躍のオンパレードで、これをセイウンスカイの強調のサインと考えるのか消しのサインと考えるかがポイントだった。
その判断のためのポイントレースが2つほどあったのだが、本当はそこで変化をアピールするサインがあればセイウンスカイ消しだった。
ところが、それらのレースでは変化なしの状態。
それでも高配当恋しさに、セイウンスカイはない、10番なんか最初からあり得ない。7枠GO」

と考えてしまった。
ポイントレースを判断するときの「穴サイドを選びたい。でもデータは本命サイドをアピールしている。」の葛藤と言ったら!
高配当に惚れる悪い癖は何とかしなければならない。

b.サラブレッドインフォメーションの解釈(血統)
開催前日版に書いたように、1つの考え方が「重賞レースでは有馬記念要素が1つだけ絡む。」だったが、皐月賞は有馬記念の2着位置である2枠3番が1着だったことで正解だし、他の有馬記念連対要素は絡んでいない。もっとも文章を書いていたときは7枠のつもりだったんだけど。
ただし、血統まで踏み込んでみたときに、土曜日の「社台SSバブル」が日曜日まで影響を及ぼしたかというとそうじゃなくて、3場のメインレースは「社台SS一切なし」だった。
そのかわり、古馬オープンの卯月S(短距離)でトニービン産駒/社台SSのエイティグローが連対して50倍以上の高配当を出したり、卯月Sがあることで他場の10Rも反応して

◎阪神10レース/御影特別
1着 8枠左13番ジェイキング(ジェイドロバリー産駒/社台SS
◎中京10レース/二見ヶ浦特別
1着 8枠右12番ゴールドサンデー(サンデーサイレンス産駒/社台SS

のようにはなっている。
というわけで、今回はちょっと中途半端な形だったが血統のサインがあるのは事実。
例えば、昔、一馬の清水成駿氏が「社台が読めなきゃ馬券はとれない。」とおっしゃっていたけど、いまは「社台スタリオンステーションが読めなきゃ馬券はとれない。」になっちゃっているのかもしれない。
いずれは整理して皆さんの前に提示したいと思う。

c.サラブレッドインフォメーションの解釈(三部形式)
基本的には、G1レースやそのトライアルで三部形式のサラブレッドインフォメーションが出た場合は、

・そのレースで7枠・8枠が絡むか
・系列のG1レースで7枠・8枠が絡むという予告になるのか


どちらかだった。例えば、去年のセントライト記念(菊花賞TR)・ローズS(秋華賞TR)で三部形式が出たら、

菊花賞系列 秋華賞系列
セントライト記念 4枠 4番シャコーテスコ
蛯沢
ローズS 7枠右8番キョウエイマーチ
松永幹
6枠右7番ダイワオーシュウ
柴田善
1枠 1番メイプルシロップ
福永
菊花賞 2枠左4番マチカネフクキタル
南井
秋華賞 5枠左10番メジロドーベル
吉田
4枠右7番ダイワオーシュウ
柴田善
8枠中17番キョウエイマーチ
松永幹


のように、ローズS→秋華賞では7枠と8枠を使っている。逆に菊花賞の系列では使わなかった7枠・8枠でもあるのだから、やはりそのあたりも古今古来のサイン読みの法則「2分の1の法則」が遵守されているのだろう。
そうすると、前回の三部形式(若葉S・毎日杯・<日経賞>)今回の三部形式(皐月賞・<プロキオンS>・<小倉大賞典>)があったにも関わらず7枠・8枠を一切使わなかった4歳牡馬クラシック系列の皐月賞。
もしかしたらダービー・菊花賞ともに7枠・8枠は要らないかもしれないし、サイン読みらしく裏の意図を読んでやって、クラシック系列の裏はマル外の系列なのだから、今週のNZT4歳Sを含めたNHKマイルCでこそ7枠・8枠と考えても良いかもしれない。
ちなみに、ダイヤルQ2では「2年前のとあることの復活」をテーマにしたサインを申し上げているのだが(皐月賞では2年前じゃなくて今年のを使ったのだか…)、2年前のNHKマイルCの際、

速さで魅惑、強さで制圧、初代誕生。(三部形式)

1着 4枠右7番タイキフォーチュン柴田善
2着 2枠右3番ツクバシンフォニー横山典
3着 1枠右1番ゼネラリストM.ロバーツ

三部形式が使われたにもかかわらず7枠・8枠が一切絡まなかった過去がある。
逆にその年のクラシック系列はオークス1−7、ダービー2−7、秋華賞6−7、菊花賞5−8と7枠・8枠が絡み続けてもしかしたらNHKマイルCの三部形式が7枠・8枠のオンパレード予告になっていた節があるから、今年はその意趣返しになる可能性は大。
2年前とは逆に、マル外の系列でこそ7枠・8枠とアタリをつけてみようかと思っている。

d.ウマのサインの解釈
今回、サインの解釈を間違うとロクなことにならない典型だったのが、皐月賞の出馬の、

3枠左6番ィニングラック
4枠右7番クリールサイクロン
4枠左8番イホームタウン

の「ウマのサイン」の解釈の仕方。
私は「ウマのサイン」のサインがあった93年の皐月賞の、

2枠右3番ルチマックス
2枠左4番ィニングチケット

1着 7枠中14番ナリタタイシン
2着 8枠左18番ビワハヤヒデ

の枠連7−8の出目のどちらかが絡むパターンを選択したが、このサインの意味は違ったようだ。
どういう風に違うかは2点。

1.93年皐月賞で「ウマのサイン」があったのだから93年の出馬と見比べる。

93年皐月賞 98年皐月賞
1枠右1番シクレノンシェリフ松永幹 1枠右1番エモシオン松永幹
1枠左2番ツジユートピアン田原 1枠左2番コウエイテンカイチ熊沢
2枠右3番ルチマックス横山典 2枠右3番セイウンスカイ横山典
2枠左4番イニングチケット柴田政 2枠左4番ディヴァインライト岡部

何のことはない、昔の「ウマのサイン」の2枠を使いつつ、同じ馬番に入った松永幹か横山典のうちのどちらか一方を使っているだけ。

2.「ウマ」はJRAの米びつでこれがないと競馬が存続しないほど重要なのだから、その世代の年度代表馬決定戦レースと関連する。

4歳牡馬世代が経験している年度代表馬決定戦は朝日杯3歳S。牝馬は阪神3歳牝馬S。
「ウマのサイン」が出たのだから、そのレースと何らかの関係があるというのも1つのパターンだったりする。

ちなみに、93年「ウマのサイン」の皐月賞は、

92年/朝日杯3歳S
1着 4枠 4番[外]エルウェーウィン南井克巳
2着 6枠右7番ビワハヤヒデ岸滋彦

に対して、2着馬のビワハヤヒデが絡んだ皐月賞だった。
そして現役年度代表馬のエアグルーヴの96年オークスでも、

4枠右7番ックスロゼ柴田善
4枠左8番エスタンスキャン安田富

「ウマのサイン」があったのだが、

95年/阪神3歳牝馬S
1着 6枠右6番ビワハイジ角田
2着 7枠左9番エアグルーヴO.ペリエ

に対して、2着馬のエアグルーヴが2着枠位置で絡んだオークスだったりする。
というわけで今回は、

97年/朝日杯3歳S
1着 6枠左11番グラスワンダー的場均
2着 6枠右10番マイネルラヴ蛯名正

まずは6枠左を使ってキングヘイローが2着になったというのが今回のウマのサインの正解なのだろう。

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