宝塚記念/レビュー
(1998年7月16日提供)

サイレンススズカは、週の半ばの《ひとことヒント》にもこの馬しか考えられないとずいぶん書いていたし、ダイヤルQ2でも6つくらいの理由で言えたから良いだろう。
例えば、7月13・14日に「社台グループの主導」で北海道で行われた話題のセレクトセール。
詳しい内容は、火曜日や水曜日のスポーツ新聞や、ここ何号かの競馬ブック(JRAの職員はみんな競馬ブック。趣味ならギャロップやファンファーレでも良いのだけど、データとして保存するにはブックがピカ一。だから、JRAもブックを利用しているのです。)の記事・広告を参照してもらいたいのだが、そのセールの目玉は何と言ってもサンデーサイレンス産駒だった。
そうすると、サイン読みには「競馬における、ナンバー1の要素と、その時点の旬の話題」を意識しながら読み解く壮大なるシミュレーションゲームの側面がある。

セールの目玉がサンデーサイレンス産駒だから、競馬の目玉もサンデーサイレンス産駒

サンデーサイレンス産駒はリーディングサイヤーでナンバー1の存在だから、
その週のナンバー1レースは宝塚記念もサンデーサイレンス産駒

セールは競り上げる勢いが大事なのだから、サンデーサイレンス産駒でも勢いがある馬が大事

ゆえに4連勝中のサンデーサイレンス産駒のサイレンススズカ


前週のラジオたんぱ賞のときには既に宝塚記念の登録馬も発表になっていたし(登録馬が発表になっているということは、すでにその競馬が始まっているのと同じ)、セレクトセールの広告もずいぶん出ていたから、その時点からサンデーサイレンス産駒には注目していたのだけど、
■福島
▽土曜日/TUF杯
2着 7枠7番ダンツサイレンス(唯一のサンデーサイレンス産駒)
▽日曜日/ラジオたんぱ賞
2着 3枠左5番メイショウオウドウ(2頭出しのサンデーサイレンス産駒のうち、前走1着で勢いがある方)
関東の福島でこんな結果だった以上、関西でも同じような結果が得られなければならず、そういう意味でも宝塚記念は3頭出しのサンデーサイレンス産駒のうちでも、4連勝で一番勢いがあるサイレンススズカは絶対だった。
これは非常に良かった。
メジロマックィーンの8枠でもあったし。
でも、同じサンデーサイレンス産駒でメジロマックィーンの池江調教師のステイゴールドまで巻き込むとはねぇ……。
基本的には、過去のパターンからはG1馬が1頭だけ、しかもJRA賞を受賞した馬が絡むと思っていたので、私の勝負馬券はサイレンスズズカからの、

メジロドーベル(最優秀父内国産馬etc.)→ドカン
エアグルーヴ(年度代表馬etc.)→弱めドスン


の2点勝負。
しかも配当的には40倍近辺のはずだったからメジロドーベルの37倍の配当に、もういっちょ、ドカン。
そりゃ、産経大阪杯の2枠か4枠のうち、ステイゴールドは入っていましたから考えましたよ。
でも、「G1馬は絶対だ」と神話のように思い込んでいたから、一瞬ステイゴールド?と心に思ってはみても、G1馬神話のガードを突き破れなくて、ダイヤルQ2でも言えなかったし自分でも馬券を買いきれなかった。
あとは、宝塚記念と場面的に似ていたクィーンCや産経大阪杯が「一方がメジロライアン要素ならば、もう一方はメジロマックィーン要素。」だったことも、メジロドーベル・ドカンに拍車をかけた。
というわけで、今回は「G1馬神話の崩壊」と「メジロマックイーン同士」を予測できない限り、無理だったと思う。
素直に降参。
来週に向かって意識を切り替えることにします。

2アクシデントレースのサイン
《ひとことヒント》で触れた土曜日の函館最終レースの除外馬2頭のサインを解説しておくと、同じドリームレースの有馬記念の前日の7Rに除外馬が2頭出たカンパイのレースがあった。
■97年/5回中山7日7R(3歳500万下)
1着(同着)6枠右9番エフワンナカヤマ的場
1着(同着)8枠右13番マチカネシルヤキミ横山典
除外 3枠右3番ベリーウェル橋本広
除外 4枠左6番シルキーピンク大西
この枠連の空間に囲まれた6枠左・7枠右・7枠左の3つの空間のうち、有馬記念は、

7枠左14番シルクジャスティス藤田(1着)
6枠左12番エアグルーヴO.ペリエ(3着)

「除外馬が2頭出たレースは、その枠連の囲みの1箇所がドリームレースへのサイン」だったから、今回も同じと考えていて良かった。
■98年/2回函館3日12R
1着 5枠左7番タヤスロベルト荻野
2着 2枠 2番エーケーボーイ勝浦
除外 1枠 1番バトルハクテイ山本
除外 6枠左9番マチカネトッタバイ松永幹
この出目に囲まれた空間のどれか1個だけ。
さらに念入りに、福島のアマリリス賞でも取消馬を2頭作ってくれて、
■98年/1回福島8日10Rアマリリス賞(4歳500万下)
1着 4枠右5番シンボリクラウン岡部
2着 2枠 2番アポンマイワード蛯名
取消 5枠右7番ホッカイローツェ後藤
取消 6枠左10番バグダットカフェ土谷
だったから、もう絶対に囲まれた3枠3番か4枠4番は連対しなければならなかった。
しかも、宝塚記念がこの近辺だと分かっているだけに、取消が2頭出たアマリリス賞は逆算すれば近辺を囲い込むような目に決まっているじゃん、というわけで、シンボリクラウンとアポンマイワードにドンと行っちゃいましたよ。
でもそのドンも、結局は、宝塚記念のサイレンススズカ−メジロドーベルのドカンに全額。
サイレンススズカ絶対で、40倍近辺のはずだと思っているのならばステイゴールド押さえりゃいいのにねぇ。
おっと、グチになってしまいました。

そして、ぜひ覚えておきたいことは、例のカンパイレース、
■97年/5回中山7日7R(3歳500万下)
1着(同着) 6枠右9番エフワンナカヤマ的場
1着(同着) 8枠右13番マチカネシルヤキミ横山典
除外 3枠右3番ベリーウェル橋本広
除外 4枠左6番シルキーピンク大西
は、

・枠連の6枠−8枠右が年明け中山の京成杯に一発で連動した。
・除外に囲まれた3枠左、4枠右(4番、5番でもいい)のうち3枠左の5番が年明けシンザン記念のアグネスワールドの2着に使われた。

「出目」と「除外の囲み」が、開催替わりの重賞レースへのサインになっていた。
さらに、宝塚記念へのサインレース、
■98年/2回函館3日12R
1着 5枠左7番タヤスロベルト荻野
2着 2枠 2番エーケーボーイ勝浦
除外 1枠 1番バトルハクテイ山本
除外 6枠左9番マチカネトッタバイ松永幹
も、

・枠連5−2が一発で他場の福島テレビ杯に一発で連動した。

「出目」が他場へのサインになっていた。
このように、アクシデントが2つ同時に発生したレースは「出目」や「アクシデント」のバリエーションが関連レースのサインになることは覚えておきたい。
そりゃそうだよね、元ネタの有馬記念の週の除外2頭レースは、

・1枠1番のタヤスユキヒメがゲート入りする前にスタートゲートを開いて、発走がやり直しになる「日本競馬史上初めて」の事故。
・90年以来、7年9カ月ぶりのカンパイのレース。

いろんな意味で値打ちをつけられていたレース。
親戚筋に当たる別な2アクシデントのレースだって、それなりの価値があると考えて構わないからだ。
ならば、先週あった2アクシデントのレースは絶対にサイン。
特に、
■98年/1回福島8日10Rアマリリス賞(4歳500万下)
1着 4枠右5番シンボリクラウン岡部(父シンボリルドルフ)
2着 2枠 2番アポンマイワード蛯名(父イナリワン)
取消 5枠右7番ホッカイローツェ後藤
取消 6枠左10番バグダットカフェ土谷
は、他のレースとは異なる特別レースでの2アクシデントだから、最低3回は使われるサインレースとして覚えておいて損はないと思う。(特別レースは1日3鞍あるから、特別レースから発信されたサインも3回は使われるという考え方ですね)

(1) 短距離の福島テレビ杯が、前日の函館最終レースの2アクシデントから一発で出目をもらった以上、福島から函館にお返しをして短距離の函館SSに対するサイン
(2) ヒガンバナ科のアマリリスだから、お彼岸の直前(お墓に花を添えるのは、お彼岸の直前です)のオールカマー、神戸新聞杯に対するサイン
(3) 4歳限定で秋の華のヒガンバナ科のアマリリスで、かつ去年の秋華賞の1着馬のメジロドーベルがG1の宝塚記念で頭に真っ赤なヒガンバナをかぶっているのだから、秋華賞に対するサイン(しかもメジロドーベルの最優秀父内国産馬に対して、優秀なマル父のシンボリルドルフとイナリワンが連対している)


こんなところにアタリをつけながら、早速今週の函館SSは、アマリリス賞の「出目」「アクシデント」のバリエーションが使われることに注目しようじゃありませんか。

[index] | [next] | [back] | [mail]