東京新聞杯・きさらぎ賞/開催前日版
(1998年2月8日提供)

この原稿を書き始めた時間、ぼくの住んでいる東京・小平では雪が降っている。小平から府中まで車で15分くらいの距離だから、この雪が日曜日の競馬にどう影響するかだが、気温もそれほど低くはないからたぶん積もらないだろう。
日曜日も、心おきなく「競馬」だ。

というわけで、注目していた頭数立ては東京新聞杯・きさらぎ賞はともに16頭。どうやら水曜日版に入れた「頭数立てのサイン」が活かされそうだ。
まずはきざらぎ賞だが、水曜日版に入れたのが正解だとすると、2枠3番の2番人気のアインブライドか3枠6番のその次の人気くらいのイアラジーニアスのどちらかということになる。
ただなー。
水曜日版の「頭数立てのサインの表」を見てもらえればわかるけど、第1回中山・第1回京都ではすんなりと出目を持ってきてたけど、第1回東京のフェブラリーSはちょっとひねってあるし、第2回京都初日の京都牝馬特別は説明がつかないで宿題として残してある。
この「宿題として残してある」ことが、きさらぎ賞も、京都記念も「何だよ、やっぱり出目じゃなかったよ。」だったらたまらない。
それ以外のことも考えておいた方が無難だと思う。
そうすると、関東のサラブレッドインフォメーション「実力を証明して挑む地位がある。」の「地位」はポジションのことで、「がある」は girl で牝馬のこと。
16頭立てだった1985年のきさらぎ賞には唯一の牝馬が出走していて、

4枠左8番タニノブーケ

だった。
歴史上の牝馬のサインが正解ならばアサヒクリークの可能性はある。
あとは、唯一の牝馬でいつもナーバスになることは「牝馬の隣」。
「牝馬のサイン」のバリエーションは先週の水曜日版にも書いたことだけど、土曜日の競馬では、

・金蹄Sの唯一の牝馬は1枠2番ウッディナイスで、2着になったのは人気薄の2枠3番ギガトンだから「牝馬の馬番の左隣」
・すばるSの唯一の牝馬は3枠6番ヤングエブロスで、2着だったのは2枠3番エイシングランツだから、「牝馬の枠の右隣」

と「牝馬の隣」が炸裂状態だった。
歴史上の牝馬とて「牝馬の隣」の可能性があるのだから、せっかく土曜日に見せてくれた「枠の右隣」「馬番の右隣」を考えたって損はない。
そうすると、さっきの3枠6番イアラジーニアスはタニノブーケの4枠の右隣だからOK。あとは8番の左隣の9番セイクブイブイオーまで考えておけば良いと思う。
そして、2枠3番アインブライドの唯一の牝馬は、かなり強烈な目印なのだから、彼女がどういう状態になっているかは大事なのだが、

・前走の阪神3歳牝馬Sで1枠2番で1着したときから1個枠をずれて、2枠3番に入っている状態

である。4枠8番アサヒクリークと5枠9番セイクブイブイオーが同じような状態だったりして。
というわけで「16頭立ての過去のレースとそのレースの牝馬」を題材にしたサインだと、3枠6番イアラジーニアス、4枠8番アサヒクリーク、5枠9番セイクブイブイオーが良いなと思う。
この3頭のうち、どの1頭を選択するかだろう。

続けて東京新聞杯。
水曜日版に書いた、

・クロカミ(横山典弘)がトロットサンダーの6枠右11番から1個ズレた位置
・ビッグサンデー(蛯名正義)がメイショウユウシの3枠左6番から1個ズレた位置
・メイショウユウシ自身が3枠左6番から1個ズレた位置

は、ビッグサンデーとメイショウユウシの「ヨミ」は正解。あとはこれが「本物か」「おとりか」の判断だけ。
そして、2年前の2着の3枠6番に人気馬で実力派騎手のプレストシンボリ(岡部幸雄)が入ったのも怪しい。
そうすると、東京新聞杯の出馬を先週のフェブラリーSと見比べてみると、

3枠6番グルメフロンティア(岡部) → 3枠6番プレストシンボリ(岡部)
4枠8番ワイルドブラスター(橋本広)→ 4枠8番メイショウユウシ(橋本広)

同ゲートに「岡部ファミリー」が置かれたりしている。
そしてこれを見て思い出すのは、先週のフェブラリーSと最終レースとの間で、

5枠10番フジノマッケンオー(後藤)→ 5枠10番ナカハマキング(後藤)
6枠11番スーパーナカヤマ(田中勝)→ 6枠11番チムール(田中勝)
6枠12番ワシントンカラー(柴田善)→ 6枠12番ミナミノエレガンス(柴田善)

で6枠11番のチムールが2着をして結構な高配当になったこと。
どうやら、3枠6番から4枠8番の間でどれか1頭が馬券(たぶん2着)になりそうな雰囲気ではある。
あとは、3頭のうちどれを選択するかが問題だ。
果たしてどうなることでしょうか。

今日はこんなところで。

◎レース後雑感
「サイン読み」って一種の手品・マジックのようなものだから、結果を見たら「何だよ、こねくりまわさなくても簡単なほうじゃん。」のことが多い。
東京新聞杯。
水曜日版でも書いたように、「過去の頭数立てサインの『ズレる』バリエーション」だけならば、4枠7番蛯名正義OR4枠8番メイショウユウシのどちらかだったのだけど、結局、蛯名正義が1着だった。
2拓問題のどちらかじゃちょっとなー、と思って勝手に問題を作って「OR3枠6番プレストシンボリ」なんて書いちゃったけど、このあたりがこねくりまわし過ぎ。
でも、これで「ズレる」こともサインだってわかってくれたでしょ?
いまはもう思い出のレースだけど、93年のトウカイテイオーの復活の有馬記念、

92年の有馬記念は3枠右5番トウカイテイオーで惨敗

93年の有馬記念は3枠左4番トウカイテイオーで復活

枠の左右と馬番がずれたのが「JRA賞特別賞」を受けたのだから、「特別」な意味があるに決まっている。
そういえば、ライスシャワーが「JRA賞特別賞」を受けたときも、

93年の天皇賞(春)は2枠左3番ライスシャワーが1着

95年の天皇賞(春)は2枠右3番ライスシャワーが復活

枠の左右はずれていた。
「特別」には文字通り「特別な意味」があることを肝に命じておくべきでしょう。

そして、きさらぎ賞。
水曜日版で書いたことは、85年の16頭立てきさらぎ賞の枠か馬番だったのだけど、結局、2枠という「枠」だけが正解だったわけですね。
なまじっか85年のデータを持っているものだから、 4枠8番タニノブーケの唯一の牝馬なんていうのを引っ張り出してきてウチャウチャ書いてみたけれど、それじゃ、データを知らなきゃ馬券がとれないわけだから、データのある人とない人には差が出来てしまう。
85年のデータと、最新の「牝馬の隣」をミックスして、

2枠3番アインブライド 唯一の牝馬
2枠4番ボールドエンペラー 2着

というのが正解だったみたいです。
とにかく、フェブラリーSの水曜日版にも書いたことだけど、今は「牝馬のサイン」が旬です。

・土曜日のすばるSは、唯一の牝馬はヤングエブロスで根岸Sの重賞勝ち馬。
その根岸Sの結果は、

1着 7枠左10番ヤングエブロス
2着 8枠右11番イブキクラッシュ

2着の8枠右を使ってビーマイナカヤマが1着。
・日曜日の東京新聞杯は、唯一の牝馬はクロカミで、東京のマイル戦に似合う重賞勝ちは去年の府中牝馬S。

1着 5枠 5番クロカミ
2着 6枠左7番グロリーシャルマン

2着の7番を使ってビッグサンデーが1着。

このように出目は使いますし、枠・馬番の隣は使いますし、必ず説明できる形で決めてくれます。
年度代表馬がエアグルーヴの牝馬であるという「超・異常性」、木村拓哉君という女性にモテモテのキャラクターが「JRAの顔」になっているという状態。
牝馬を死ぬほど考えることが、勝利への最短距離にあるような気がします。

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