フェブラリーS/水曜日版
(1998年1月28日提供)

初っぱなのフェブラリーSからちょっと長めで申し訳ないのだが、時代のトレンドを理解してもらうには仕方がない。
現実的にお金になって、応用がきくテーマで書くつもりですから、我慢して読んで下さい。
特にこの考え方は、手を変え品を変え、何度でも使ってくれるはずです。
上手にやれば一財産稼げちゃうかもね。

これから2年間のJRAのCMキャラクターは木村拓哉くん。
キムタクは年齢問わず女性にモテモテなのだから、逆に言うと女性関連がキムタクという「像」を浮かび上がらせることになる。
その「像」こそが主役=連対馬、というわけで、特に牡馬のレースに対しては女性関連がサインになるだろう。
牝馬か。女性騎手か。女性馬主か。
もっと細かく考えて、母親か。ブルードメアサイヤーか。
競馬管轄の役所のヒエラルキーの頂点にいる農林水産大臣と同様に、このアイテムもどれか1つを頂点に置かねばならないのだが、一般的に、サインの立ち上げ時は誰にでも分かりやすい素材を使ってくれる傾向にある。
素材として一番分かりやすいのは牝馬だし、特に現在は牝馬のエアグルーヴが年度代表馬だから、競走馬の世界では牝馬が君臨しているという状態。
「牝馬」と考えるのが正解だろう。
そして、キムタクというアイドルがサインアイテムだとしたら、女性に人気のある彼が難しくサインする必要はない。
サインの「質」としては簡単なはず。
だけど、サインと言うのは一種の手品・マジックのようなものだから若干の芸術性が求められる。
「簡単なサインなんだけど、なかなか気づかなくて、説明されてみれば何のことはない。」程度のものを見つけるのが大事だと思う。
また、この手のサインのオープニングは、誰にでも分かるレースで、さり気なく、ただし内容はド派手にやってくれるもの。

・一番馬券が売れる、ということはみんながより多く触れるチャンスがある有馬記念
・中央の反対は地方だから、地方競馬の有馬記念の東京大賞典
・「一年の計(策略)は元旦にあり。」の中山金杯・京都金杯

この誰にでも分かる4つのレースを「牝馬」「簡単だけどなかなか気づかない」角度から復習すれば、「キムタクサインの大綱」が浮かび上がるだろう。
まずは、その「キムタクサインの大綱」の姿を追っていくことにしよう。

■有馬記念。
キムタクはモテモテなのだから、女は主役のそばに寄り添うことでキムタクの像を浮かび上がらせてくれる。
また有馬記念は古馬のレースだから、女は女でも、4歳馬よりは古馬牝馬の方に優先順位がある。

◆6枠左12番エアグルーヴ(G1馬の古馬牝馬)に対して1着だったのは7枠左14番シルクジャスティス。
「枠位置の左隣が1着になる」
◆1枠左2番ダンスパートナー(G1馬の古馬牝馬)に対して2着だったのは2枠右3番マーベラスサンデー。
「馬番の左隣が2着になる」

というわけで「枠位置の左隣」「馬番の左隣」が1つのサインと考えられるだろう。
そして、女は自分の想いの丈を男にぶっつけて、気を惹こうとするもの。
その想いの丈は、

・女が女同士で競い合って一番素晴らしかったとき
・もしくは女が牡馬と戦って1着になってブイブイ言わせたとき

そんな「あたしってスゴイのよ。だから振り向いてよ。」的感覚なのだから、「あたしがスゴかったレースの、あたしのポジション」が男に伝わるでも良いと思う。

◆6枠左12番エアグルーヴが女同士で競い合っていちばん素晴らしかったのはオークスで7枠左15番で1着をしたこと。
「7枠左がシルクジャスティスに伝わる」
◆1枠左2番ダンスパートナーが女同士で競い合った最新の成果はエリザベス女王杯で2枠左3番で2着をしたこと。
「3番がマーベラスサンデーに伝わる」

というわけで「牝馬の想い=出目」ももう1つのサインと考えられるだろう。

◎まとめ
「出走牝馬の枠の左隣・馬番の左隣(一発のサイン)」
「出走牝馬のスゴかった時の枠と馬番(一発のサイン)」

■続けて東京大賞典。
基本的には有馬記念と大差がないレースだから、有馬記念と似たようなチェックをすれば良い。

◆唯一出走した牝馬の6枠左9番ドラールクラウンに対して2着だったのは5枠左7番キョウトシチー。
「枠位置の右隣が2着になる」
◆あとは、出走はしなかったのだが、G1馬の古馬牝馬のマキバサイレントが途中で急遽回避をしてしまった。
その彼女が男どもを従えてブイブイ言わせたのが96年のグランドチャンピオン2000というG1レース。
そのレース結果は、

1着 5枠左 8番マキバサイレント
2着 8枠右13番カネショウゴールド

だったのだから、何のことはない、

1着 8枠右12番トーヨーシアトル
2着 5枠左 7番キョウトシチー

出目が一発で絡んでいるに過ぎない。
というわけで、「出走回避牝馬のスゴかった時の出目」

◆また、有馬記念で3頭出走していた牝馬のうち、東京大賞典に似合うメジロ(=目白)ドーベルは全く使わなかったのだから、「あたしだってスゴいんだから。」的に、

1着 5枠左10番メジロドーベル
2着 8枠中17番キョウエイマーチ

と、秋華賞の出目を一発で使ったとも考えられる。

◎まとめ
「出走牝馬の枠の右隣」
「出走回避牝馬のスゴかった時の出目(一発のサイン)」
「レースタイトルに関連性がある牝馬のスゴかった時の出目(一発のサイン)

■3レース目は中山金杯。
素材の牝馬は、
・唯一出走した牝馬の5枠左10番ヒシナイル
・直前になって回避をしたパルブライト
の2頭。

◆ハンデ戦の金杯に対して、ヒシナイルが牝馬限定のハンデ戦で活躍したのは夕刊フジ杯ターコイズSで1枠1番で2着だったこと。その1枠でセイリューオーが2着をしている。
「出走牝馬のスゴかった枠が2着」
◆パルブライトがハンデ戦で活躍したのは新潟記念で8枠15番で1着だったこと。その15番でグルメフロンティアが1着をしている。
「出走回避牝馬のスゴかった馬番が1着」
◆また、ヒシナイルのターコイズSは枠連1−2、パルブライトの新潟記念は枠連7−8、ともに枠連の「接触目」だった。それに対して中山金杯も枠連1−8だから、「2頭の牝馬のスゴかった出目の間隔が花を添えた」ことになる。
◆そしてパルブライトの新潟記念は馬連が12−15。その新潟記念はローカルの重賞で、ローカルといえば地方競馬だからダート競馬に大いに関係する。そうするとその12−15が一発で絡んだのが、翌日の関西の中央・地方交流の平安Sで、結果は、

1着 6枠左12番エムアイブラン
2着 8枠右15番アドマイヤコール

なのだから、「出走回避牝馬のスゴかった馬連が、日付を変えて他場に、一発で交流する」ことになる。

◎まとめ
「出走牝馬のスゴかった枠」
「出走回避牝馬のスゴかった馬番」
「2頭の牝馬のスゴかった出目の間隔(一発のサイン)」
「出走回避牝馬のスゴかった馬連が、日付を変えて他場に、一発で交流する」

■最後のレースは京都金杯。
素材の牝馬は、
・活躍したレースがなく牝馬であることしか取り柄がない1枠左2番ファーストソニア
・重賞勝馬('97日経新春杯)の3枠右5番メジロランバダ
の2頭。

◆ファーストソニアの2番の隣の3番、かつ、メジロランバダの3枠右の隣の2枠右。
2枠右3番のミッドナイトベットが1着をしている。
「馬番の左隣・枠位置の右隣が1着をしている」
◆ハンデ戦の金杯に対して、メジロランバダがハンデ戦で活躍したのは日経新春杯で2枠左3番で1着だったこと。その3番でミッドナイトベットが1着をしている。
「出走牝馬のスゴかった馬番が1着」
◆日経新春杯でメジロランバダに乗っていたのは武豊。その武豊が5枠9番エリモダンディで2着をしている。
「出走牝馬のスゴかったときの騎手が2着」
◆牝馬であることしか取り柄がないファーストソニアの前走は、サンタクロースHCで、その時1着したのは2枠右3番ファンドリロバリー。その3番でミッドナイトベットが1着をしている。
「出走牝馬の前走出目が1着」
◆(ちょっとこれは余計かもしれませんが…)2頭の出走牝馬の馬番は、2番と5番。それに対して京都金杯の枠連は2−5。
「2頭の出走牝馬の馬番の間隔が枠連の間隔になる」
◆そしてメジロランバダの日経新春杯は枠連が1−2。その日経新春杯の「新春おめでとうレース」に対して、翌日には関東にニューイヤーSの「新春おめでとうレース」がある。結局、ニューイヤーSの結果は、

1着 1枠1番ビッグサンデー
2着 2枠2番ストーミーサンディ

一発で絡んだ。
「出走牝馬のスゴかった枠連が、日付を変えて他場に、一発で交流する」ことになる。

◎まとめ
「出走牝馬の馬番の左隣・枠位置の右隣」
「出走牝馬のスゴかった馬番」
「出走牝馬のスゴかった騎手」
「2頭の牝馬の馬番の間隔を枠の間隔に展開」
「出走牝馬のスゴかった枠連が、日付を変えて他場に、一発で交流する」

以上の4レースから推理できる「キムタクの像を浮かび上がらせるサイン=出走牝馬のサイン」の概要は、

出走牝馬の 枠の
馬番の
右隣
左隣
出走牝馬の 牝馬限定戦の
牡馬と戦ったときの
関連レースの
前走の
1・2着の時の 枠位置
馬番
騎手
出走回避牝馬の 牝馬限定戦の
牡馬と戦ったときの
関連レースの
前走の
1・2着の時の 枠位置
馬番
騎手
2頭の牝馬の 共通する出目の間隔が連動する
馬番の間隔を、枠の間隔に展開させて連動する
これらが、自分のレースで馬券になる。
これらが、日付を変えたり場所を変えたりして交流する。


とまとめられる。
あとは、フェブラリーSにしても、来週以降にしても、この大綱を基本線にして牝馬がサイン馬になっていくのがこれからの2年間なのだろう。

そこで今週のフェブラリーSなのだが、このレースは登録の段階から牝馬が1頭もいなくて、とても変。
また、中央地方交流ダートのG1だから、

・中央地方交流の古馬G1のラストの東京大賞典に対して、メジロドーベルの秋華賞が一発で連動していた…
・中央地方交流ダート重賞のスタートの平安Sに対して、関東の中山金杯を回避したパルブライトの新潟記念の馬連12−15が一発で連動していた…

という系列の延長線上にあるレース。
当然、1頭の牝馬が、何らかの形で一発でサインをしてくれるに決まっている。
そうすると、G1レースなのだから必要なのはG1馬の牝馬。

・日経新春杯に出走したG13勝のメジロドーベル
・京都牝馬特別に登録がある阪神3歳牝馬S馬のビワハイジ
・同じく桜花賞馬のファイトガリバー

この3頭のうちのどれか1頭に絞って、「キムタクのサインの大綱」を適用していけばOKではないだろうか?
ならば、フェブラリーSは東京競馬場で行われるレースなのだから、東京競馬場に出走したことがあるか、それとも東京という土地に関連する馬の方が優先順位が高いと思う。

・オークス1着馬で東京地名馬のメジロドーベル
・オークス2着馬のファイトガリバー
・ダービー出走馬のビワハイジ

これに関しては、どれもOK。
また、フェブラリーSは中央地方の「交流」のレースだから、交流レースで活躍したことがあるか、交流が強調になっている馬が優先順位が高いと思う。

・カク地が出走できる国際レース・オールカマー1着馬のメジロドーベル
・関東から関西の日経新春杯に交流したメジロドーベル

そして比較的新しいフェブラリーSだから「新しい」ことも重要だし、ホクトベガの追悼も兼ねたレースなのだからどこかでホクトベガの後継者的立場を指名された馬がふさわしいと思う。

・3頭の牝馬の中で一番新しいG1馬はメジロドーベル
・ドバイワールドカップでホクトベガが競走中止をした週に、’93年の桜花賞でホクトベガが入っていた8枠16番で2着をしたメジロドーベル。牝馬三冠ラストのエリサベス女王杯を1着したホクトベガに対して、牝馬三冠ラストの秋華賞を1着したメジロドーベル

というわけで、日経新春杯のメジロドーベルがフェブラリーSのサインになる可能性が大ではないだろうか?

メジロドーベルと決めたのならば、次に考えなければならないのは、メジロドーベルについて「キムタクのサインの大綱」をどう適用するか、ということ。
たぶん、

・中央競馬の中央地方交流のG1なのだから、中央G1の有馬記念と、地方G1の東京大賞典が「合成」されるだろう。
・昔はフェブラリーハンデキャップだったレース、かつ中央で行われる年度幕開けのG1なのだから、ハンデキャップの幕開けの中山金杯と、京都金杯が「合成」されるだろう。

ということになると思う。
そうすると、有馬記念・東京大賞典で特徴的だったのは、

「出走牝馬の枠・馬番の左右両隣を使っていたこと」
「出走牝馬のスゴかったときの自分の位置を使っていたこと」

ということ。
まずはこれが説明出来なければならない。
そうすると、日経新春杯のメジロドーベルは6枠右11番だったのだから、左右両隣になるのは、

「5枠右か7枠右か」
「10番か12番か」

のどれか。
そこにメジロドーベルのスゴかったときの自分の位置が重なるのは

「秋華賞で1着だった5枠左10番」
「阪神3歳牝馬Sで1着だった6枠に対する6枠左12番」

のどちらか。
従って、ここまでのヨミが正解ならば、フェブラリーSは5枠10番か、6枠12番のどちらかが馬券になるはずである。(ただし、この組み合わせは有り得ない)

また、もう一方の相手は中山金杯・京都金杯パターンを使うはず。
その中山金杯・京都金杯で特徴的だったことは、

「牝馬のスゴかったときの出目が、日付を変えて、場所を変えて(中山の牝馬の新潟の出目が京都へ/京都の牝馬の京都の出目が中山へ)一発で絡んだこと」

である。
その時のニューイヤーS(洋モノの暦)・平安S(日本の時代モノ)に対して、今週は日曜日のメインレースがフェブラリーS(洋モノの暦)・飛鳥S(日本の時代モノ)と全く同じような構成の週なのだから、この中山金杯・京都金杯パターンを使ってくれる可能性はかなり高い。
そうすると、5枠10番・6枠12番のどちらが絡むにしても、メジロドーベルの京都や阪神の中央開催の目が、東京競馬場に交流するということでこれはこれでOK。
問題は相手だ。
ならば、一方が中央の出目ならば、もう一方はパルブライトの新潟記念のようにローカルの出目を使うはず。
一方が中央、もう一方は地方。それが中央地方の「交流」レースというものではないだろうか?

メジロドーベルのローカルの出目は、
96年7月13日(土)/2回新潟初日/7Rの牝馬限定戦/13頭立て
1着 4枠右 4番メジロドーベル
2着 4枠左 5番セントラルハイジ

これ1つだけ。
このメジロドーベルの位置は「4枠右(7番)」「(2枠左)4番」「13頭立てを外に出した4番は17番だから16頭立ての外に出した17番(1枠右1番)」に展開できる。
従って、ここまでのヨミが正解ならば、フェブラリーSは4枠7番か、2枠4番か、1枠1番かのどれか1つが相手となるだろう。
そんなときに、フェブラリーSと同週に行われた中央地方交流G1レースの川崎記念は、

1着 4枠 4番アブクマポーロ
2着 1枠 1番テイエムメガトン

の結果。
ホクトベガの追悼の週は、地方競馬で行われた中央地方交流のレースの出目が中央競馬に連動するのが殆どなのだから、メジロドーベルの新馬戦が絡む可能性はものすごく高いのではないかと思う。

第15回フェブラリーSのまとめ

メジロドーベルが、「キムタクの像」を浮かび上がらせてくれるのならば…、

連対馬その1 5枠10番か6枠12番
連対馬その2 4枠7番か2枠4番か(1枠1番)
※この中で敢えて除外する数字を上げるのならば、1枠1番だろうか。メジロドーベルのローカルの出目は新馬戦の出目。その新馬戦はまだヨチヨチの存在なのだから、出目が連動するにしても「外に出して考える」というテクニックはまだ不要な気がする。

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