NHKマイルC/レビュー
(1998年5月19日提供)

1番人気エルコンドルパサーが絡んだことで叩きのめされたNHKマイルC。
レース後はショックで寝込んでしまった。(しょっ中、寝込んでいるんですけど。)
たかが1番人気が絡んだからってそこまでと思われるかもしれないが、この春のG1は、理由はとりあえずおいといて1番人気がダメなシリーズだった。
その理由に自信を持っていたものだから、1番人気のエルコンドルパサーはハナッから勝手に競走除外。
しかも、もう1つの春のテーマが「名馬は超えられない」だったりする。
例えば、桜花賞の4歳牝馬の名馬といえばメジロラモーヌ。
彼女はトライアル重賞→本番をパーフェクトに1着になった馬だから、トライアル重賞を1着して本番に勝つとメジロラモーヌに匹敵することになる。
結局、チューリップ賞の1着馬ダンツシリウス報知杯4歳牝馬特別の1着馬マックスキャンドゥ、ダメ。
そして、皐月賞の4歳牡馬の名馬はシンボリルドルフ。
彼は長期休養明けで弥生賞で復活して皐月賞からの三冠を制覇した馬だから、弥生賞が一種のシンボリルドルフ復活記念になる。
だから、弥生賞勝ちの馬が皐月賞を1着することはシンボリルドルフに匹敵することになるんだけど、シンボリルドルフ以降で唯一それをやってのけた馬はサクラスターオーだった。でも、そのサクラスターオーは4歳で1番人気で迎えた有馬記念で悲劇の骨折。ある意味で言えばシンボリルドルフに反旗を翻そうとした馬がバッサリ斬られた状態なのだから、それ以降の馬はサクラスターオーの姿を見てシンボリルドルフに畏怖の念を抱き、弥生賞勝ちの馬はシンボリルドルフの道の中で一度シンボリルドルフにひれふすることになる。
そのレースが皐月賞。
結局、今年も弥生賞勝ちのスペシャルウィークはダメだった。
さらに天皇賞(春)の名馬といえば、これまたシンボリルドルフ。
彼は総決算の有馬記念を4歳で勝って翌春に天皇賞(春)を1着した馬だから、4歳有馬記念勝ちの馬が翌春の天皇賞を1着するとシンボリルドルフに匹敵することになる。
有馬記念勝ちの4歳馬のシルクジャスティス、ダメだった。
そんなシリーズだったからNHKマイルCも同じだろうとタカをくくっていた。
そうすると、NHKマイルCはマル外のダービーだから「マル外のここ一番のレース」。そして、NHKマイルCはマルゼンスキーの「大外枠でもいい、賞金もいらない、だからダービーに出走させてくれ。」の声を反映してG1になったレースだから、このレースに君臨する名馬はマルゼンスキーということになる。
ならば、マルゼンスキーの「ここ一番のレース」と言えば、朝日杯3歳Sのレコード勝ち。彼はその朝日杯3歳Sで4戦4勝になったのだから、逆に言えばここ一番のレースで5戦5勝になることはマルゼンスキーを超えることになってしまう。
従って、1番人気シリーズダメのシリーズと併せて、4戦4勝のエルコンドルパサーには気持ちよーくお引き取り願おうと勝手に考えていたわけ。
そのエルコンドルパサーが1着なんだもん。ショックの程は分かっていただけると思う。
ただイヤなことは3つほどあった。
1つは、日本の名馬として君臨しているのはマルゼンスキーでもメジロラモーヌでもなくシンボリルドルフ(シンボル・ルドルフ=皇帝の象徴=天皇陛下)なんだけど、彼は最終戦のサンルイレイSで惨敗していること。要するにシンボリルドルフを頂点にした「名馬を超えられない」サインは、マル外には通用しない可能性があった。
2つは、マル外は「日本人からみたら情がわかない」存在。プロ野球を見てもらえばわかるけど、マル外の選手がいくら活躍したからといっても所詮は助っ人で、昔はあんなに人気があった巨人のクロマティにしたってとっくに忘れ去られてしまっている。「名馬を超えられない」なんていうのは日本の内輪でしかウケないお芝居のシナリオだから、マル外のダービーには通用しない可能性があった。
3つは、関東のインフォメーション「ダービーを超える真実を描け。」の「ダービーを超える」の部分の解釈。ダービーは日本の4歳馬の頂点だからそれを超えるということは、日本馬は馬も人も考え方も全てチャラになる可能性があった。
結局、相変わらず高配等に憧れて盲目的にエルコンドルパサーの×を信じてしまった、というところなのだろう。
エルコンドルパサーがOKだと水曜日版で書いたサインの意味が全然異なってくるから、今日はそのことについてレポートしておきたい。

a.一番話題になった新人騎手の初勝利のレース
毎年サインレースとなっているこのレース。
そうすると、どのように使うのかは土曜日の関西のメインレースが教えてくれて、

96年は、1着の福永の8番を土曜日の京阪杯で使ったら、2着の3番を日曜日のNHKマイルCで使う。
97年は、1着の武幸四郎の4枠左を土曜日の朱雀Sで使ったら、2着の14番を日曜日のNHKマイルCで使う。

のように、一種のフィルターになっている。
じゃ、今年はどうだったかというと、

1着 8枠右10番オーガストキング穂刈
2着 7枠右8番ジャストダガー河北

に対して、土曜日の下鴨Sで馬券になったのは、

1着 7枠左14番イブキウッドマン
2着 5枠右9番サンライズフラッグ

で、穂刈のレースの枠位置の囲みの7枠左と馬番の囲みの9番の一発だから、囲みの強調。
私はエルコンドルパサーは絶対にないと思いこんでいたから、囲みなんて思いもせずにいつものように枠か馬番のどちらかだゼなんて考えてたりしてね。
結局、土曜日に囲みを使ったから日曜日も囲み。出馬の考え方から7枠は有り得ないから9番の方、と考えるのが正解だったのだろう。
来年は土曜日の使い方を参照してからNHKマイルCに挑みたい。

b.マーメイドS
3着だった7枠左11番が、しかも枠という前提つきで連動すると思っていた水曜日版。
下鴨Sの7枠左の1着ですべてチャラということなんだろう。
しかもエルコンドルパサーが1着じゃ、開催前日版にも解説したように、絶対にマイネルラヴもスギノキューティも有り得ない。
枠がダメならば馬番と考えた私がいつまでも幻を追っていたということか。
そうすると、今年はマーメイドSの何がサインになっていたかというと、インフォメーションがサンズイの強調で書かれてあったのとともに、

3枠3番ゴールデンカラーズ(お母さんがアメリカダービー馬)福永

サンズイそのものの3枠で、かつ、マル外のダービーに似合うアイテムを持った福永の3枠。
今年は出目じゃなくて、12期生の頂点騎手自身の枠をサインにしたとまとめておきたい。

c.花の12期生のメモリアルレース
花の12期生のメモリアルレースを開催前日版にズラズラ並べてみたけど、競馬自体が新しい時代に向かって突き進んでいるのだから、新しいアイテムである花の12期生のサインは一番新しいもの、つまりNHKマイルCに存在しているものが一番大事だということなのだろう。

2枠右3番ムカーナ
2枠左4番キュンティア高橋亮(G12着の牝馬)
3枠右5番シンコウエドワード(2着)
3枠左6番エルウェーザージュ福永
4枠右7番ギノキューティ(重賞勝ち馬の牝馬)

花の12期生の囲み。
金杯の時期に多用された牝馬の囲みのサインとメジャー牝馬の隣のサインの合体。
ジスのサインの囲み。
開催前日版に全てを覆すならば3枠6番エルウェーサージュ(福永)と書いたのだが、今回は、その当人じゃなくて囲みが使われたと理解するしかないと思う。
そして、新潟大賞典でジスのサインが使われなかったのは、ひとことヒントやダイヤルQ2でも説明したように「ジスは売りモノのサインなのだから、あっちでも使う、こっちでも使うという安売りはしない。NHKマイルCのジスと新潟大賞典のジスじゃ明らかにNHKマイルCの方が格が上なのだから、NHKマイルCの囲みでシンコウエドワードが馬券になったのならば、その周辺部のジスが2枠がオフサイドトラップ、7番がサイレントハンターのように一発のサインになる。」という理由から。
格の仕訳を完璧に誤ってしまった、いうところか。

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